写真集「軍艦島 住み方の記憶」を手にする坂本理事長
長崎市の軍艦島(正式名・端島)の世界文化遺産暫定リスト入りを記念して、NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」が写真集「軍艦島 住み方の記憶」を自費出版した。現在と過去の写真や島内の地図を収録したほか、住んでいた人の思い出も紹介している。 同会の坂本道徳理事長は「当時の島の生活を想像したり、ガイド本として活用したりしてほしい」と話している。
島の北側にある高島町立端島小中学校から、反時計回りに主な建物を紹介。軍艦島を船上から眺めるクルーズのコースに合わせた。
左のページに、島が無人となった後から現在にかけての写真、右側に最盛期に5千人以上が暮らした炭鉱の島だった頃の写真を見開きで並べ、それぞれの建物の解説や当時の住民の思い出話を加えた。 「地底から上がってきて、炭で真っ黒な体からゆっくり汚れを落とす。(鉱員風呂の)作業衣洗いの浴槽はイカ墨のように真っ黒だ」「妻は子供達(たち)をお風呂に入れたことがない。 共同風呂に行くと頼まずとも誰かが面倒を見てくれて子供をかわいがってくれていた」といったエピソードが盛り込まれている。
NPOの機関誌を出そうと考えていた矢先の昨年9月、島の暫定リスト入りが決まり、写真集を出すことにした。 約100万円の費用は、大阪府内の支援者が「売れた分から少しずつ返済してくれればいい」と全額出してくれたという。
A4判79ページ、税込み2500円。 問い合わせは同会(095・801・6012)へ(伊東聖)

|
|
|